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伊藤小坡の虫売りの女性画です。


105.6×25.1cmサイズの 絹本 に彩色が施された作品です。初期の頃の代表作とも言える、虫を売る女性を描いた作品です。伊藤小坡は、 美人画家で有名ですが、彼女の初期の頃の作品には、このような、家族や身近な生活を女性ならでの目線で描いたものが多くあります。穏やかな日常が柔らかな色使いや筆使いで描かれており、優しい気持ちにさせてくれる作品ですね。しかしながら、伊藤小坡と言えば、やはり 日本髪 を結っている女性を描いた美人画 が高価買取対象作品となります。晩年には歴史風俗や物語を主題とした 女性画 を多く描き、名品 の数々を残しています。この作品が、昭和期の円熟期に描かれた、艶やかな日本髪を結っている女性画になりますと、数倍の価格で取引されます。やはり、晩年全盛期 の作品には、深い味わいがあり、高価買取できます。また、彼女が日仏交換美術展に出品した「琵琶記」はフランス政府に買い上げられ、世界的にも高い評価を得ています。美術界では、活動が期待される作家の意欲的な作品は、文化庁などに買い上げとなることがあります。芸術家は、何年もの間たいへんな努力を繰り返し、また周りの人に助けてもらいながら、独自の 作風 を築いていきます。昔からよく言われる事ですが、芸術家が育つためには、スポンサー、いわゆる援助する人が必要とも言われます。古い時代 のこうしたスポンサー達は、芸術家の生活費を援助し、ときには遊興費なども十分に与え、芸術家を囲い、本人の好きなだけ絵や作品を作らせてきました。だからこそ、芸術家たちはお金に糸目を付けない素晴らしい作品が生み出すことができたのでしょう。現代ではなかなかこのような豪快なスポンサーとなられるような方もおらず、芸術家も苦労されているようで、自国にとどまらず、世界にむけてどんどん自分をアピールするような時代になっています。(No.20)

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