買取実績 buy

骨董品売却依頼でお電話を頂き、遠く北海道のお客様より数点の浮世絵を宅配でお譲り頂きました。

売却例の説明
写真が4枚あります。くわしくはこちら

地方のお客様で近くには本格的な古美術骨董店が無く、どうしようかと考えておられましたが、知り合いの友達に紹介され当店のホームページをご覧になり、買取のお電話を頂きました。このお客様は亡くなられたお母さんが、浮世絵愛好家 で、その殆どは以前に売却されましたが、残っている 逸品 の買取依頼を、遠く北海道の苫小牧市のお客様ですがお電話を頂きました。

この作品は、復刻版の作品で、本来の江戸時代に作られた作品ではありません。復刻版は、江戸時代でもあり、明治時代や昭和時代にも多くあります。いろいろな約束事があり、簡単に見分けられるものではありません。また、この作品は複数枚で、一つの物語を作っており、この一枚では半端な品物となります。黒ずみやしわも有り 保存状態 も悪く、この様な逸品はお引き取り価格も安価な価格です。

本来のこの浮世絵 版画 についての説明を少しします。
この役者絵は、顔見世につきものであった『暫』を描いた、「古代今様色紙合」という役者絵のシリーズの一図です。鳥居派の役者絵を“古代”、歌川派の役者絵を“今様”とし、色紙枠のなかに新旧の役者絵を並べた作品で、鳥居家五代目当主の二代清満が鳥居派の魅力あふれる『暫』を描き、歌川派を率いた三代豊国が公家悪を、七世市川團十郎(当時 五世海老蔵)の似顔で、横向きで描いています。『暫』の祝祭性と、鳥居派と歌川派、それぞれの役者絵の魅力が伝わってくる作品です。

江戸時代、歌舞伎役者と芝居小屋との出演契約は1年に限ったもので、出演する役者がそれぞれの芝居小屋で毎年、異なっていました。新たな出演契約を結び、向こう1年出演する役者の顔ぶれを披露する役割を担っていったのが、11月に行われる顔見世興行で、“芝居国(しばいこく)の正月”とも称され、芝居街がひときわ賑わいをみせました。

江戸の顔見世狂言は、作劇にも一定のルールがあり、『暫』ではじまり、“だんまり”や狐や樹木の精霊などが活躍する所作事、さらに雪の季節の世話(町人世界)の場面があり、最後に謀反人などの見顕(みあらわ)しとなる構成になっていました。とはいえ、こうした顔見世狂言の 伝統 も、江戸時代後期には絶えてしまい、弘化3年の河原崎座の顔見世の場合、『一谷嫩軍記』『廓文章』などを上演しています。

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