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志野　（ しの ）

志野は、美濃焼のひとつで、織部焼・黄瀬戸・黒瀬戸などとともに、岐阜県（旧美濃国）で制作される 陶磁器 です。志野釉と呼ばれる白い釉薬が厚くかけられているのが特徴です。鉄で簡素な絵が描かれた絵志野、鼠色の彫り文様がある鼠志野、鉄釉を薄くかけた紅志野などがあります。

桃山時代になると織田信長や豊臣秀吉などの戦国大名や、千利休や古田織部などの茶人によって、茶の湯 が流行し、お茶の席に合う 陶器 が作られるようになりました。有名茶人たちの好みを反映し、灰釉に長石を加えた釉薬で焼かれた「灰志野」、長石釉だけ作られた「志野」などが作られました。暖かい白色の所々に 素地 の紅赤色の火色が現われて、柔かいきれいな味わいの作品が出来上がります。茶人には、この素朴な味わいが好まれ人気があります。全盛期 の室町時代には改良や 技法 が次々と考案されました。

日本には各都市にいろいろな、陶芸 作品の 窯 元がありました。陶芸作品は、登り窯 のように火をくぐり自然の中で完成します。作品の 景色 や、状態は、焼きあがるまでわかりません、そこに陶芸作品の面白さがあり、同じ窯で同時に焼かれても、一点、一点、違い同じ焼き上がりの陶芸作品はありません。焼き上がりの景色や出来栄えにより価格は大きく違ってきます。
また、産地の特定や、時代の判断は、高台の土や陶芸作品の色合い、また 図柄 の伸びやかな生き生きとした大胆な構図、形で判断します。そして藩や 官窯 になりますと、緻密 で 極彩色 や 空間 の伸びやかさ、また 精密 に書かれた年号等で 真贋 を判断します。陶芸作品の真贋を問う場合や、時代を見るのは数十年の経験が必要でしょう。どの陶芸作品でも同じで、参考までに書かせて頂きました。