初代 西村 宗禅 生年不詳～永禄元年(1558年)
二代　西村 宗善(宗禅)　生年不詳～文禄三年(1594年)
三代　西村 宗全 生年不詳～元和九年(1623年)
四代　西村 宗雲　生年不詳～承応二年(1653年)
五代　西村 宗筌(善四郎) 生年不詳～元禄十年(1697年)
六代　西村 宗貞　生年不詳～寛保元年(1741年)
七代　西村 宗順 生年不詳～延享元年(1744年)
八代　西村 宗圓 生年不詳～明和六年(1769年)
九代　西村 宗巌 生年不詳～安永八年(1779年)

十代　永楽了全（1770〜1841）
九代善五郎の息子。
天明の大火により全焼した西村家を立て直して工房を整備し、 善五郎の歴史上屈指の名工である保全を養子に迎え育てる。
この代から千家出入りになる。
樂了入（九代樂吉左衛門）と親交があり、同じ町内に移り住むほどの影響を受ける。
1817年、息子の保全に善五郎の名を譲り隠居する。
隠居後は了全と名乗り、保全や他の職人と共同で制作を続ける。

十一代　永楽保全（1795〜1855）
十代了全の養子。幼名は千太郎。
1817年、十一代善五郎を襲名。
1827年、紀州藩十代藩主徳川治寶に招かれ、
「河濱支流」の金印と永樂姓の由来である「永樂」の銀印を拝領。
1843年、息子の和全に家督を譲り、隠居。
善一郎を名乗るが、1848年に保全（やすたけ）と名乗りを変えた為、 他の善五郎との区別のため保全（ほぜん）と呼ばれる。
交趾焼、安南焼、金襴手など陶器・磁器の双方を手掛けており、 オリジナル、写しともに洗練された作品が多い。

十二代　永楽和全（1822〜1896）
十一代善五郎の長男で、幼名は仙太郎。
1843年、十二代善五郎を襲名。
1852年、仁清で有名な御室に登窯を築く。
1866年、加賀藩主前田侯に招かれ、九谷で作陶を行う。
その後、三河の岡崎に移り、続いて京都に戻るなど、明治期の茶道衰退期において、落ち着いた仕事場が持てず苦労する。
1871年、息子の得全に家督を譲り、隠居して以降は善一郎を名乗る。
父・保全と同様、茶碗から香合、平皿など様々な作品を手掛けており、赤絵、交趾焼、仁清などの写しに優れた技量を示す。

十三代　永楽回全　天保五年(1834年) ― 明治九年(1876年)
十三代　永楽曲全　文政二年(1819年) ― 明治十六年(1883年)

十四代　永楽得全（1852〜1909）
茶道衰退期を過ごすが、三井家・鴻池家の庇護を受け、多くの作品を残す。
三井家の招きで大磯の別邸内に窯を築き準備をする中、急逝。

十四代室　永樂妙全（1852〜1927）
本名は悠。夫は永樂得全。息子に永樂正全。
善五郎を襲名していないが、作品への評価は高い。
作品に「善五郎」と記し、朱で「悠」の字を押印。
「お悠さんの朱印」として親しまれている。
茶道の復興期に千家家元の好みものを数多く作り、三井家の保護も受けながら、永楽家を支える。

十五代　永楽正全（1879〜1932）
妙全の甥。
十五代を継承するが、わずか5年で早世。

十六代　永楽即全（1917〜1998）
昭和9年、十六代永楽善五郎を襲名。
昭和12年に三井家の招きで大磯に窯を築き、戦時も茶陶の制作をし腕を磨く。
京都伝統陶芸協会初代会長。
近年屈指の名工であり、三千家の職方としての務めの他に千家十職による千松会や十備会に出品。
昭和58年、第1回京都府文化功労賞受賞。
昭和60年、文部省 地域文化功労者。
昭和61年、京都市文化功労者。
平成2年、勲五等瑞宝章。
平成4年、京都府文化賞特別功労賞。

当代
十七代　永楽善五郎（1944〜）
十六代永樂善五郎（即全）の長男として京都に生まれました。
名を紘一、通称を善五郎といいます。
1968（昭和43）年、東京芸大大学院工芸科を修了しました。
1998（平成10）年、17代永樂善五郎を襲名しました。
染付・色絵などの技法を駆使した華やかな作品を制作する。