店主ブログ日々 blog

祇園の秘密話

2007.08.25

京都生まれの京都育ち、
しかし、
祇園でお茶屋遊びなど、
父はお勤めですし、ほとんど有りません。

人間同士、素のお付き合いは、
いろいろとね、
これが、楽しい、、

今から10~15年程前かな、、、
祇園のお茶屋さんが、廃業され、
引越しの時、蔵出し「お蔵の荷物を買い受ける事」
に行きました、

我々の業界では、
祇園に贋物は無いと言われており、
それだけ、人も物も 質をとわれたのか、
お偉いお方が、お金が無いと、
襖にさらさらと、字を書かれ、
お帰りになられたとか

さて、本題に戻ります。

お蔵から、殆どの品を出し、
最初の一点を女将さんの前に置くと、
目を閉じ、にっこり、微笑まれ、
1~2分も過ぎた頃、
目を閉じたまま、頭を少し傾けて、

「そゃた、、そゃた、、な、、、」て独り言、

またもや、目を閉じたまま、にっこり、微笑まれ、
よろしおっせ、、持って帰っとおくりゃす、
<上手く書けなくてゴメンナサイ>

まあ、すごく時間かかりました。
それからも、
一点、一点、女将さんの前に置きました。
さすが、祇園のお茶屋さん、
どの品も、高価な品々、、、、

だんだん、女将さんが、
何を考えておられるのか、、、、

きっと、お客様、恋人、ごひいきの、方々、
頂かれたり、お買いになられたり、
過去の夢と浪漫を、、、
思い出しておられるのでしょう、、

そして、空のお釜の箱が出てきました、
千家十職さんのお作りになった品で、
高価で珍しいお品でもあますが、
肝心の中身がありません。

女将さんに訳を話すと、

とたんに、、スーと、、立ち上がられ、、
お蔵の前で、、、

「釜よ、、釜よ、、出ておいで」
「釜よ、、釜よ、、出ておいで」 と、、

呼んでおられました。

女将さんは、70は、
ゆうに超えられたお方でした、

帰り、頭が、、ボーとして、
初恋の人に会って以来の、
可愛い女性、、、に
さすが、祇園の女性、!!
出会えて、、、良かった、、て
帰りました。