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加山又造の鯉を描いた作品です。


1969年、42才の頃に描いた作品です。加山又造はこの年の第十回轟会展で、初めて数点の水墨画を発表しています。加山又造は、伝統的な日本の水墨画に、新しい可能性を見出して、現代に蘇らせようとした作家です。「現代の琳派」とも称されています。鯉を水墨画に描くことは、中国の元時代から盛んに描かれた手法に憧れて着手したものと言われています。水の中を泳ぐ魚や水藻は、吉祥の 図柄 で、その中でも、鯉は立身出世の象徴とされ、好まれました。この作品も、そのような想いが込められた作品でしょう。一枚ずつぼかしを用いて丁寧に描き出した鱗や、深遠な水底を思わせる空間を描き出す手法はたいへん見事です。体をくねらせ悠々と泳ぐ鯉が躍動的に描かれており、今にも動き出しそうな味わいがあります。一匹の鯉のいのちの輝きを幽玄に表現した作品で、彼ならではの傑作と言えます。彼は常に意欲的で、斬新な創作活動を続けた作家として知られています。どの作家にも言えることですが、作家は自分の描こうとする対象物に情熱を注ぎ、試行錯誤を繰り返し、何年もかかって独自の 画境 に到達します。晩年の、自身の 画風 を確立させた 全盛期 の作品には、熟練した深い味わいがあります。彼の作品は、どのような作品でも高価買取対象ですが、中でも、晩年 に描かれた鮮やかな牡丹の花の絵や、裸婦の作品となりますと、数千万の値段で取引される作品もあります。晩年の円熟期に描かれた作品は、高価買取させて頂きますので、買取依頼の際には、是非ご相談ください。53.5×72.4cmサイズの 紙本 に彩色が施された作品です。(No.2100)

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