藤本能道の色絵の作品を紹介します。
藤本能道の、綺麗なケシの花が描かれた 陶器 の箱を紹介します。高さ5.2cm×幅11.3cmで、高台内に「能」と 銘 があります。
藤本能道は、富本憲吉と 加藤土師萌 らに 師事 し、九谷焼系の 色絵 を学びました。初期の作品は、師たちの模倣から脱却しようと、前衛 陶芸 に傾倒しましたが、次第に オブジェ から釉や絵付けへ関心を寄せるようになりました。鉄釉彩や 赤絵 の研究を始め、絵付 と焼成を幾度も繰り返す独自の技法「釉描加彩」を開発し、写実的で豊かな色彩の作品を作り上げました。色絵磁器で 人間国宝 に認定されています。彼の作品には、絵付が良く映える箱や扁平した 壺、大 皿 などが多く見られます。またその 図柄 には花鳥を好んで用いています。この作品も、美しい背景に、緻密 にケシの花が描かれています。見事な 写実 美が味わえる作品ですね。このような白磁の素地に釉薬の色を重ね、絵画のような繊細な色調と柔らかな質感のある作品は、高価買取させて頂きます。彼の 晩年 に作られた 上手 の作品の中には、百万を超える買取価格で取引される作品もあります。
陶芸作品は火の中をくぐって出来上がります。窯を開けて、初めて品物の良し悪しが決まるものです。同じ模様の作品でも、仕上がり状態により、価格は2倍、3倍と変わります。その査定には審美眼が必要となります。品物の真贋を問うことを「鑑定」といいます。品物の値段を決めることではありません。真贋を問う力は、身に付けるのに数十年かかってもなお奥が深く難しい、というのが現実です。我々古美術骨董店業界では、鑑定士という資格は無く、数十年かかり長年の経験と信用を得てはじめて査定や鑑定ができるようになります。業界内で 真贋 を問う場合、簡単な言葉ですが、「ゴリっとしている」とか「すっきりしている」とか簡単な言葉でしか表現できないものです。しかしながら、そのたった一言に数十年の重みがあるのです。売却のご相談は、信頼と実績のある祇園の骨董店、古美術やかたにご依頼ください。（No.195）