織部焼

安土桃山時代の1605年(慶長10年)頃、岐阜県土岐市付近で始まり、江戸時代の元和年間で1615年~1624年を通して、愛知県瀬戸市一帯で焼かれた瀬戸焼の一種です。江戸時代を通じて茶人古田織部の指導によって創始されたといわれています。 茶人古田織部好みの奇抜な形・文様の 茶碗 を多く産したことから、その名が由来すると言われています。 その後、天明年間 1781年~1789年 から瀬戸北島で再興されましたが、まもなく 陶磁器 の普及に押されて衰退しました。 狭義には安土桃山時代の美濃焼をいい、基本的に志野焼の後に造られた 古陶器 です。 織部焼は黄瀬戸・瀬戸黒・志野などの桃山茶陶で発明してきた様々な技法を組立て、その集大成として独自の焼物を誕生させました。 釉薬 や、鉄絵の 技法 など、桃山茶陶で発明してきた様々な技術を駆使して生み出されたのが 織部焼 です。 特徴としては器の表面に草画体の簡素な絵文様を描き、青緑色の釉薬をかけた「絵織部」と呼ばれる作品が最も多いです。 その他、器表の一部または全面に青緑色の釉薬をかけた「青織部」やまた黒色釉をかけた「黒織部」が有名です。 織部焼と志野焼は明確に区別できない部分もあり、茶の湯 では甲乙つけがたい人気があります。