古い時代の眉庇

眉庇の説明

通常の庇同様、雨や陽光を遮るのみならず、額を守る等の用途も持って兜鉢の正面に設けました。その多くは付眉庇と呼ばれる形式で、鉢に板金を鋲留めしたものでした。中世の眉庇は兜からそのまま額から眉を覆うように作られていましたが、後には鉢から斜め下方向に突き出た出眉庇、垂直に突き出た直眉庇と呼ばれる形状が現れました。

兜全体の説明

兜は現代 美術品 、 工芸品、日本独自の歴史資料的で世界中で大切な 骨董品 として重宝されています。日本の甲冑は、世界の防具、武具、刀剣類と比べても非常に貴重な 日本独自 の 文化遺産 です。 細密 な 日本古来 の 金工品 の伝統技術 に富み、彫る技法や嵌める技法、また打つ技法の凝った細工が施されております。兜は頭部を守るための部分で、金属製の 金工品 が主ですが、木製や革性の物もあったようです。金属製の物は複数枚の矧板と呼ばれる板金を鋲で留めた矧板鋲留鉢や、一枚の板金を半球型に 打ち出し 細工された一枚張筋伏鉢とがあります。このような金工作品の兜の 全盛期 には彫金細工や象嵌細工の素晴らしい 職人技 が施された 逸品 も作られました。また鉢の裏側には通常韋などを張り裏張と言いますが、後には鉢裏と裏張の間に緩衝材を入れ、鉢裏との間に空間を設けて 裂 を張る浮張が生まれました。