翡翠には骨董価値

翡翠は、品質や色合いなどで評価が決まります。骨董として翡翠の価値の決め手の一つは品質です。翡翠の作品の中でも深い色を帯びた半透明で深緑色の品物、また昔の 職人技 が生かされた細工の素晴らしい彫刻された翡翠の 逸品 などは希少で、翡翠には骨董価値があります。翡翠の歴史からみても分かるように、翡翠が太古の昔から大切にされてきた宝石です。また、翡翠の産地は世界的にも限られており、希少で、中でも半透明で深緑色の翡翠の品物は重宝されます。台湾の故宮博物院にある、翠玉白菜が代表作品で、 細密 な細工をされた翡翠の 骨董品 としてたいへん価値があります。

また、骨董として翡翠の価値の決め手のもう一つは色あいです。一般的にはエメラルドグリーンが知られていますが、ラベンダー翡翠のように、紫や赤、青など様々なカラーがあります。一般的に価値が高いものはエメラルドグリーンで、その中でも特に、琅玕と呼ばれる青竹のような緑色のものは最高品質とされ、ジュエリーなどアクセサリーに加され高値で取引されています。

翡翠の産出地は世界的にも限られています。日本では、おもにジェイダイトと呼ばれる硬玉が取れました。新潟県の糸魚川市姫川流域、北陸や富山県の海岸、兵庫県の養父市、鳥取県、静岡県、群馬県、岡山県、熊本県などが主な産地で知られています。このようなに日本では、古くから良質な翡翠が採れました。中国では、おもに、ネフライトと呼ばれる軟玉が産出されました。よく誤解されますが、中国の翡翠は硬玉の産地はありません。しかしながら、当時、良質な硬玉を産出していたミャンマーから硬玉を輸入していたので、中国産の中にも価値のある硬質翡翠製の骨董品もたくさん残されています。このように、中国の作品には硬玉と軟玉の二つが使われており、その 真贋 を見定める力量が必要となります。

翡翠は、金と同等に扱われ、中国や日本では東洋の宝石そして不老不死の象徴と称されて古くから珍重されてきました。中国やアジアの国々では、翡翠は特に絶大なる人気があります。中国やアジアの支配階級の人々は、翡翠には不老不死の力があるとまた、パワーストーンと信じられ、大切に扱われ、 骨董品 として質の良い 名品 が作れらました。日本には、このようにして作られた翡翠のものが、中国との 交易 で 北前船 や貿易船で、玉 や 玉器 と一緒に 唐物 として輸入され、 古渡り 品として重宝されてきました。日本には和装の文化があるので日本国内には特に翡翠製の装飾品も多く残されています。中でも、 帯留 めや 櫛、 簪 、笄には、良質な 翡翠を使ったもの、 日本古来の 伝統技術 である 彫刻 技術が優れているものなど、希少価値が高い 金工作品 や 逸品 が多く残されています。また、数寄者 も多い 茶の湯 の世界でも、翡翠を使った 名品 が多く残されています。このように 翡翠 は、古い時代 から 伝承 され、骨董品として価値ある宝石として 愛玩 されてきました。